涼宮ハルヒの消失やら何やら

公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失

公式ガイドブック 涼宮ハルヒの消失

 あまりにも周りの評価が高いのでつい劇場まで足をはこんでしまいました。
見終わった直後いくつかのアンビバレンツというか相反する考えが浮かんできたので、以下箇条書きに
1、とりあえずDVDなりブルーレイなり買うほどではないな…
2、この映画を純粋に愉しむには共通言語の習得加減が足りない。第一期を放送当時見たのみ、二期はネットで噂のみ、原作は手つかず、というような知識しかないといまいち入り込めない。
3、見ようによってはエヴァのアニメ放映時にも劣るとも勝らない酷い自己完結かつ、自己啓発セミナーちっくな主人公の内面描写が少しいらつかせた。結局十何年の間スタート地点で足踏みしていたのか、セカイ系は。
4、演出といい作りこまれた書き割りといい凄ぇクオリティ。音楽もラスト以外はほぼ完ぺき。エヴァといいコレといい、日本のアニメの実力は天井知らずですね。(金と時間さえあればなのか?)
5、ハルヒ長門、両方に対するボーイミーツガールな物語として、ほぼ矛盾なく成立させた力技にもびっくり。
6、長門可愛いよ長門
 マイナス部分6割のプラス部分が4割といったとこでしょうか。 というわけであまり高い満足度は得られませんでした。やっぱりリアルタイムではまっていないと記号化されたキャラアニメって敷居が高いですよね。本放送時に長門綾波ハルヒがアスカというキャラ付で脳内置換してしまうような見方をしていた人間には若干厳しい2時間40分でした。

 

ラブリー・ボーン (ヴィレッジブックス)

ラブリー・ボーン (ヴィレッジブックス)

 CUTの特集でピーター・ジャクソンがほめちぎっていたので原作本もマンマと買って、半分ほどの読みかけ状態で映画を鑑賞しました。
久しぶりに映画館に金を返せ!といいたくなるような出来の映画、そして当然のことながら原作本も相当な酷さ。アメリカ人は家族の絆という1点さえ描写すればそれでいいんでしょうか?ドラマツルギーとかラストで感じるカタルシスとか、結末に辿りついた人間が期待する感情をもののみごとに裏切ってくれます。
まぁ確かにそういうアメリカ的メンタリティを勘定に入れて読めばまぁ原作は我慢できないこともないかもしれない…といったレベルで収まっていますが、映画の方はそうはいきません。土台原作自体がこの映画の尺に収まるような量ではないうえに、対象年齢を引き下げてぼかしまくった感じのストリーの薄さが、近年稀に見るレベルで映画自体を破綻させてます。
観るべきものは特殊効果だけというあまりにピーター・ジャクソンらしい作りになってます。まぁこのジャンルの映画としては完全に失敗作なのは言うまでもないですが。

 ちなみに二本連続で観たのですが、ハルヒラブリーボーンのあからさまな客層の違いに少しびっくりしました。千葉のシネコンでもあそこまでアキバ系男子っていう言葉を連想させるようなやつばかり集まるもんなんですね。まぁ自分も完全にその一員で、ラブリーボーンカップルたちの中では完全に浮いてたわけですが。