何も得られないという安心感
- 作者: 谷川史子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: コミック
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もはや大御所といってもいいほどのキャリアを誇る谷川史子。だがそのセンチメンタルさと透明感は何も変わっていない。
リア充とは180度違う精神的引きこもり生活を続けていると、彼女の作品の不変さについ癒されてしまう。
谷川史子の作品からは何も得られるものはない。魂を揺さぶる感動も、日常を忘れさせる興奮も、神経を切り裂くエグさも、
涙を流すような悲哀も、およそエンターテイメント性の欠片も用意されてはいない。
そこにあるのは少女が抱くような甘い甘い幻想的な恋愛だったり、あるいはそれすらもないセンチメンタルな日常の一コマでしかない。
そのあからさまに過剰なまでのセンチメンタリズムは、何かを新たに得ようとするのではなく、何かがすでにそこにあるということを確認させてくれる。
ふとぽっかりと空いた空白の時間に彼女の作品の柔らかい笑顔や、透明感のある涙を見て、まだ見つけられない幸福が現実のどこかにはあるのではないかという思いを
確認し、歩き出す力をほんの少し与えてくれる。
今まで読んだ彼女の作品で思い出せるタイトルはほとんどないけれど、いまだに彼女の作品を買い続けているのはつまりそういう理由なんだろうな。
- 作者: 橋本紡
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/06/30
- メディア: 文庫
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つまりこういうレビューに惹かれたり、上のような文章を書いてしまうところに自分の精神状態の危険度が推し量れるのだね。
あ、作品に関する評価は何もなし。とりあえずどの人間にも共感できませんでしたし、書かれていることにも共感度はゼロでした。
恋愛小説っていうか青春小説っていうか…(オナニー小説っていうか…)