エヴァンゲリオン新劇場版：破

これはヤヴァイ。
これはいいものだ、これはいいものだ、これはいいものだ…
　
本家エヴァでやる健全なエンターテイメントがこんなにも面白いとは。
「序」のときは正直単なるオリジナルの焼き直しとしかとらえられなかったけど、これはもう完全に別作品。
当り前の話だけどオリジナルよりこっちのほうが断然面白い。
１０年前に劇場版「THE END OF EVANGELION Air / まごころを、君に」を観て以来ずっと行き場を失っていた
エヴァに対する思いが唐突に蘇ってきたような気がした
　僕にとってエヴァはいまだにカルチャーのメインエクストリームのひとつなわけだけど、あくまでもパーツとしての
センスの良さやカッコよさだけであり、物語性とかキャラクター性とか本来一次的な評価に値するところは完全に空っぽだった。
でも今回の「破」はそのパーツとしてのカッコよさ、センスのよさを残しつつ、物語として消化できるストーリー性をもたせている。
間違いなく完成度としては今までのエヴァの中で一番だろう。単純に新しい「映画」として見た場合でもかなり満足がいく出来だとも思う。
　まぁオリジナルエヴァ世代としてはアスカと綾波のキャラが薄まってて、よりまともなヒロイン像に近づいてしまって
るのは若干納得がいかないけれど、物語として正しいのは明らかにこちらのほう。むしろ破を見れば見るほど、オリジナル
エヴァのキャラ造形がいかに破たんしていたのかがよくわかる。あれじゃストーリー性なんて求めるほうが無理。

　あと個人的にはテレビエヴァで一番かっこよかった点はBGMだと思っているんだけど、今回の「破」はそれをさらに上回る
BGMのセンスの良さだった。特に「今日の日はさようなら」と「翼をください」をコーラスでまんま使うっていうハイセンスに
は脱帽。一回観ただけなのにサントラの購入を決意してしまったものね。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 オリジナルサウンドトラック SPECIAL EDITION

　
ちなみに今回一番おおおってなった場面が、
「僕はエヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジです！！」
　のとこ、あれだけアツいテンションでこれを言わせたからにはもう「自己啓発セミナー」ラストはないだろう。
次回＆次々回には熱い熱い期待を抱いて待ってます。