ブラバン!

 

ブラバン (新潮文庫)

ブラバン (新潮文庫)

 吹奏楽で弦バスやってた男が主人公、なんて俺が買わなきゃ誰が買うんじゃーって設定の小説!!
しかしかなーり期待度大で読みましたが、やっぱり時代や地域がずれるとまったく共感できませんな。
あととりあえず広島は怖すぎる。関東のベットタウンで平和な高校生活を送った人間からすると、
どこの国の話?みたいなエピソードが普通にちょこちょこ語られてて、共感どころの話じゃないです。

あと80‘sに青春送った人間の気持ちは多分一生理解できない気がします。なんていうか懐古を通り越して、
神格化に近い思い込みをもった人間が多すぎると思う。黄金時代を懐かしむだけならいいんだけど、
耳の奥に残った残響を神格化したあげく、今の音を貶めるような輩は本当に我慢がならない。

この小説を読みおえたときに最初に浮かんだのはそんな懐古趣味の人間の評論文でした。
まぁ失われた十年が青春の舞台だった人間の僻みからそう感じてしまったのかもしれないけれど。