電車が好き

 本を読むのに一番適した環境ってどこですか?って聞かれたら、迷わず「電車の中」と即答する。
 なんでか知らないが昔から電車の中だと読書が進む。文字を目で追うスピードが速くなるし、文章が頭の中にはいってくる感覚もいつもより冴える気がする。
 あの適度で心地よい振動、熱すぎず冷たすぎずな温度、何よりもあの適度なざわめきが大切なのだ。一人で静かなおちついた環境にいるよりもずっと集中できると思う。
 というわけで今日地元に帰る用事が出来たので、わざとちょっと遠回りして往復四時間たっぷり読書の時間とすることに、
 最近読んでない本がたまりすぎてえらいことになってるからね。

殺人者たちの午後

殺人者たちの午後

 トニー・パーカーというよりも沢木耕太郎の文章としてしか読めない。強烈な映像イメージを呼び起こさせる情感たっぷりな文章。言葉が持つ映像イメージを引き出すことにかけては、この人の右に出るものはいないだろう。ただあえてセンセーショナルな「殺人者たちの午後」というタイトルを使うことには意味があったんだろうか?原題通りの「Life after life」で良かったんじゃないかな。
ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)

ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)

 面白すぎ。面白すぎてこれを読むだけで満足してしまいそう。駄目だこりゃ。
堕落論 (集英社文庫)

堕落論 (集英社文庫)

 あまりにもキテレツな表紙に惹かれて、
堕落論 (新潮文庫)

堕落論 (新潮文庫)

 こっちを購入して再読中。なんていうか個人の感性でつらつらと書き連ねただけのものが半世紀以上も読み継がれているってのはすごいよね。

 電車の中は一番適した読書空間ではあるのだけど、問題なのは居眠りにも一番適した環境であるということなんだよね。
 二時間くらい思いっきり熟睡してしまいました。あと二冊持ってたのに読めなかった。